お口の機能は、食事・会話・表情づくりなど、日常生活のあらゆる場面に関わっています。
そのため、オーラルフレイルが進行すると、次のような影響が出てきます

①食べる力が弱くなる
→よく噛めず、柔らかいものばかり食べるようになる
→ 栄養バランスが偏り、筋力や免疫力が低下

②飲み込む力（嚥下力）が低下する
→ 食べ物や唾液が気管に入って「誤嚥性肺炎」を起こすリスクが上がる

③会話が減り、表情筋も衰える
→ 人との関わりが減り、心の健康（うつ傾向など）にも影響

つまり、オーラルフレイルは身体的・社会的フレイルへの入り口なのです。
お口の小さな衰えを放っておくと、最終的に寝たきりや要介護状態につながることもあるため、早めの対策が大切です。

オーラルフレイルは、予防とトレーニングで改善できることが分かっています。
今日からできることを少しずつ取り入れていきましょう。

① よく噛んで食べる
一口ごとにしっかり噛むことで、あごや舌の筋肉を使います。
「ながら食べ」をやめて、食事を味わうことも大切です。

② お口の体操をする
「パ・タ・カ・ラ体操」は代表的な口腔機能トレーニングです。
それぞれの音をハッキリ発音することで、唇・舌・頬などの筋肉を鍛えられます。

③ 乾燥を防ぐ
お口が乾くと、唾液の働き（自浄作用・抗菌作用）が弱まり、口腔内環境が悪化します。
こまめな水分補給や唾液腺マッサージを取り入れましょう。

④ 定期的に歯科でチェック
虫歯や歯周病、合わない入れ歯も、噛む力や話す力の低下につながります。
歯科医院では、口腔機能の測定やリハビリ的なアドバイスも受けられます。

「オーラルフレイル」は、老化の自然な流れの一部かもしれません。
でも、気づいてケアを始めれば、確実に改善・予防ができるものです。

当院でも『エントレ』を用いた口腔周囲筋のトレーニングを高齢者だけでなく子供から成人に対してもお勧めしております。正しい呼吸と嚥下機能の維持・向上を目的にぜひしよううしていただきたい器具の一つです。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

お口の健康を保つことは、
「食べる楽しみ」「話す喜び」「笑う幸せ」を守ることでもあります。

これからの人生を元気に過ごすために、
ぜひ定期的な歯科検診と、日々の口腔ケアを習慣にしていきましょう。