歯周病と肥満は、それぞれ現代社会において非常に重要な健康問題のひとつです。
両者は直接的な関連性がないように思えるかもしれませんが、実は深い関係があることが多くの研究で明らかになっています。
このコラムでは、歯周病と肥満の関係についてお話します。
岡山大学の研究(令和4年)では、高脂肪食を与えた肥満ラットと普通食を与えたラットの歯を支える骨(以下 歯槽骨とします)の吸収状態を比較しました。結果、肥満ラットのほうが歯槽骨の吸収が大きい、すなわち、歯周病が進んでいることがわかりました。
また、肥満によってラットの血液と歯ぐきの中の「遺伝子のメッセージ」が変わることも分かりました。肥満ラットの血液にある4つの「microRNA」が、歯ぐきの7つの遺伝子に影響を与え、その中のいくつかが歯槽骨を減らしてしまうそうです。
上記のことから、肥満が歯周病の原因となることはわかりました。
